廃線間近のJR北海道札沼線を旅する(1) 〜車窓から望む田園風景に癒されながら〜

歩く

2020年5月7日で廃止されることが決定しているJR北海道札沼線(愛称:学園都市線)の”北海道医療大学”から”新十津川”。

その札沼線を目に焼けつけようと出かけました。

札幌から札沼線に乗車して新十津川町へ。新十津川町の歴史を感じるアクティビティを満喫して、隣町の滝川市までをタウンウォーキング。

滝川駅からさらに函館本線を利用して岩見沢市へ。「いわみざわ百餅祭り」で大きな臼での餅つきに驚き、初秋を満喫する旅です。

JR北海道 札沼線(学園都市線)

札沼線(さっしょうせん)は、北海道札幌市中央区の桑園駅から北海道樺戸郡新十津川町の新十津川駅までを結ぶ路線です。

途中の札幌側の桑園駅から北海道医療大学駅までの間には、マンションや一戸建て、各種学校が立ち並ぶ通勤通学路線であることから、1991年に「学園都市線」(がくえんとしせん)という愛称が付けられています。

札沼線は、その名称にある通り、もともと札幌の桑園駅から留萌本線と接する雨竜郡沼田町の石狩沼田駅までの路線でした。新十津川駅から石狩沼田駅間は、国鉄諮問委員会が提出した意見書、いわゆる「赤字83線」により「使命を終えた」として、1972年に廃止され、現在の営業区間とっています。

そして、2020年5月7日に北海道医療大学駅から新十津川駅までが廃止されます。

札幌駅から石狩当別駅まで

お得な普通電車の旅といえば青春18きっぷが有名です。

JR北海道にも休日の電車旅にもってこいのお得なきっぷがあります。「一日散歩きっぷ」です。

札幌近郊を普通列車で一日乗り放題となります。近郊と言っても、西は長万部、室蘭、東は新得、北は滝川、富良野までと広範囲なので、列車の時間が合えばかなり広範囲を巡れます。

新十津川駅に行くには、札幌駅6時58分発の北海道医療大学行きに乗車しなくてはなりません。

ご存知の方も多いかもしれませんが、新十津川駅に発着する列車は1日1本です。それに乗車するには、この列車に乗車し、石狩当別駅7時45分の列車に乗り換えるしかないのです。

札幌駅を発車して、隣の桑園駅から札沼線(学園都市線)に入ります。札幌駅から北海道医療大学駅までは電化され、電子改札も導入されています。

北海道医療大学駅から新十津川駅までは電化もされおらず、単線となっています。

札幌市内を抜け、石狩川にかかる北海道の鉄道橋で最長の1074mの石狩川橋梁を渡り、当別町に入ると、車窓から見える風景もガラリと変わって田園風景が広がります。

石狩太美駅を過ぎ、7時39分石狩当別駅に到着です。

余談だけど、石狩太美駅前にある”なかむら”っていうお店のラーメン、美味しいんだよな!

石狩当別駅にて乗り換え

石狩当別駅に到着すると、向かいのホームには、石狩当別7時45分発新十津川行きの2両編成のワンマン列車がすでにホームに入っていました。

「日本で一番早い最終列車」と「札沼線廃線」が重なっていることもあり、多くの鉄道ファンが乗車していました。

ワンマン列車についていた国鉄マークの扇風機が印象的です。

暑くて扇風機を回せば止める客あり、止めれば回す客ありの時代が思い出され、その歴史を懐かしく感じたのでした。

新十津川への最終列車は7時45分、石狩当別駅を出発しました。

まぢか!7時45分発なのに最終列車なのかよ〜!

石狩月形駅にて上下線すれ違い

田園風景の中をゆっくり進む最終列車は8時20分頃に石狩月形駅に到着しました。

石狩月形駅の発車時間は8時40分です。

なぜ、こんなに停車するのか?というと、札沼線のこの区間は単線で、上下線のすれ違いがこの石狩月形駅で行われるのです。

私が乗車している列車とすれ違うのは、浦臼駅を8時8分に発車してきた列車です。

待ち時間が長いので、乗客はそれぞれ降車して、駅舎の外に出たり、トイレに行ったり、記念撮影したりとすれ違い列車が到着するまでの時間を、乗客それぞれがその時間を楽しんでいました。

線路に目をやると軌道面が真っ赤に錆びていました。廃線となった路線の線路ではなく、まだ運行されている路線の現役の線路です。

この石狩月形駅でも1日7、8本の列車は通っています。しかしながら、線路はあっという間に錆びてしまうのだと実感した瞬間でした。

ホント、真っ赤ですね!鉄ってそんなに早く錆びるんですね!

ちょっと話題が逸れますが、JR北海道のJRヘルシーウォーキングでも札沼線のいくつもの駅で、イベントウォークやいつでもウォークが開催されてきました。

今年は、石狩太美駅石狩当別駅石狩月形駅で開催されています。過去には、浦臼駅、北海道医療大学駅〜石狩当別駅などでも開催されています。

石狩月形駅、浦臼駅の開催がなくなるのかと思うと非常に残念です。

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列車はさらに新十津川駅を目指して進む

石狩当別駅を8時40分に発車して、列車はさらに北の新十津川駅を目指して進みます。

稲作が盛んな空知地方を象徴するような田園風景に癒されます。

朝は曇り空が広がっていましたが、回復傾向という天気予報通り、次第に青空が見えてきました。

9時28分、新十津川駅への最終列車は予定通り到着しました。

この列車は折り返し、新十津川駅発最終列車として10時ちょうどに発車します。

新十津川駅

冒頭でも書いた通り、2両編成のワンマン列車には多くの鉄道ファンが乗車していました。

それぞれ記念撮影や、思い出を撮ろうと思いおもいにシャッターを切っていたのが印象的でした。

9月も中旬ということで、新十津川駅ではコスモスが見頃となっており、とても美しかったです。田園風景とともに癒される瞬間でした。

また、新十津川駅では、JR札沼線の終着駅である新十津川駅に到達したことを証明する発行番号入りの「終着駅到達証明書」が発行されています。

2016年3月のダイヤ改正により、日本一終発が早い終着駅になったことに合わせて発行されるようになりました。

もう少しで30,000キリ番でした。残念…

残念だったな。キリ番なんて、そんなにうまく手に入らないのさ!ははは。

北海道新十津川町
北海道新十津川町観光・イベント情報ホームページ。イベント情報・観光マップなど。

初秋を満喫する旅はまだ序章

廃線となってしまう札沼線の新十津川までの最終列車に乗車して、空知の田園風景に癒されながら新十津川町まできました。

この後、さらに新十津川市街を巡り、滝川市までのタウンウォーキング、滝川駅から電車に乗車して岩見沢市を目指します。

続く…

廃線間近のJR北海道札沼線を旅する(2) 〜新十津川町の先人の歴史を感じながら〜
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